行政書士試験は、法律系の「士業」資格の中では、所要時間も短く、試験問題の内容も易しいものです。ただ、この点を見くびると、合格まで思わぬ長期間・苦労を費やすハメに陥ってしまいます。この試験の受験を志す方が最初に探すのは、「行政書士試験向けの」テキストや問題集です。その点は良いのですが、問題は、それらのテキスト「だけ」しか読まないことです。この試験の法律問題は、司法試験と比べるとシンプルでクイズ問題のように見えますので、つい勉強の内容も司法試験に比べて薄くなりがちです。ここが、長期化の原因なのです。行政書士試験対策のテキストには、あくまでこの試験を合格するのに「最低限」必要な情報だけしか記載されていません。テキストに沿って、出てくる判例を必ず判例100で確認し、じっくり読みこみましょう。行政書士試験向けに判例百選を「解説」しているテキストがありますが、それでは判例の本旨は頭の中に入ってきません。結構なボリュームですので、受験生の中には判例百選をしっかり読んでいる人はそう多くありませんが、それだからこそ実力に大きな差がつくのです。